2017年度   地方分権論B(地域公共経営論)




<講義内容>


(科目名)  地方分権論B(地域公共経営論)

(担当者) 片木 淳

(配当学期)  秋学期

(単位) 2 単位






(写真は、イスタンブール、「蛇の柱」。BC479年、ギリシア連合軍が最後にプラタイアの野でペルシアを破った時に、戦利品の金銀財宝の10分の1 で作ってデルフィに奉納した金の鼎を支えていた「青銅で作られた三つ頭の蛇」(ヘロドトス『歴史』巻9−81−1)。コンスタンチヌス大帝がデルフィから新都に運ばせた。これには、スパルタ、アテネ以下31のポリスの名が列挙されているとのこと(パウサニアス著、馬場恵二訳『ギリシア案内記(下)』(1992年、岩波文庫)の注による)。







<授業概要>

 現在の地方自治体が直面している危機に対応し、住民自治に基づく「公共経営」を進める観点から、(1)地域活性化、(2)公共サービス改革と政策法務、(3)地域力創造と「市民自治体」の実現について論じる。

 具体的には、

 (1)地域活性化では、

  日本創成会議の「消滅可能性都市」、まち・ひと・しごと創生総合戦略と人口ビジョン、公共施設等総合管理計画、

 (2)公共サービス改革と政策法務では、

  地方行政改革、指定管理者制度・PFI等のNPM諸手法、分権時代の政策法務(法令用語の基礎知識を含む)、

 (3)地域力創造と「市民自治体」の実現では、

  地域コミュニティと地域自治組織、地域運営組織、ソーシャル・キャピタル、町内会・自治会、「共助社会づくり」とNPO

  等について論じ、

 ドイツの「市民自治体構想」も踏まえつつ、今後の地方自治体の「公共経営」のあり方を展望する。

 なお、講義はできるだけ、具体的な論点に即して行うとともに、受講生からの積極的な意見発表と活発な討論を求める。


<授業の到達目標>

 地方自治体の 「公共経営」をめぐる諸課題についての基本的知識を得るとともに、ディベートおよび政策形成・判断・経営能力を培う。


<授業計画>

第1回:オリエンテーション(本講義の目的と概要)

  本講義の目的と概要について説明する。

第2回:地域活性化(1)

  日本創成会議の「消滅可能性都市」とその批判について論じる。

第3回:地域活性化(2)

  政府のまち・ひと・しごと創生総合戦略と人口ビジョンについて論じる。

第4回:地域活性化(3)

  地方版総合戦略と地方の人口ビジョンについて論じる。

第5回:地域活性化(4)

  連携中枢都市圏と定住自立圏構想について論じる。

第6回:地域活性化(5)

  コンパクトシティと公共施設等総合管理計画について論じる。

第7回:公共サービス改革と政策法務(1)

  公共サービス改革としての地方行政改革について論じる。

第8回:公共サービス改革と政策法務(2)

  公共サービス改革としてのNPM諸手法(指定管理者制度、PFI等)について論じる。

第9回:公共サービス改革と政策法務(3)

  分権時代の公共経営と政策法務について論じる。

第10回:公共サービス改革と政策法務(4)

  国の法律と自治体の条例の関係について論じる。

第11回:公共サービス改革と政策法務(5)

  法令用語の基礎知識について論じる。

第12回:公共経営と市民自治体の実現(1)

  地域コミュニティと地域自治組織の現状と課題について論じる。

第13回:公共経営と市民自治体の実現(2)

  地域運営組織、地域力創造とソーシャル・キャピタル、町内会・自治会について論じる。

第14回:公共経営と市民自治体の実現(3)

  「新しい公共」、「共助社会づくり」とNPOについて論じる。

第15回:公共経営と市民自治体の実現(4)

 ドイツの「市民自治体構想」も踏まえつつ、今後の地方自治体の「公共経営」のあり方を展望します。


旧 2017年度秋学期・地方分権論B(地域公共経営論)講義資料


          −−−−−−−−−→第1回講義資料(オリエンテーション)

          −−−−−−−−−→第2回講義資料(消滅可能性都市と地方創生)

          −−−−−−−−−→第3回講義資料(政府の地方創生政策)

          −−−−−−−−−→第4回講義資料(地域自主戦略交付金)

          −−−−−−−−−→第5回講義資料1(連携中枢都市と定住自立圏)

          −−−−−−−−−→第5回講義資料2(長野市・連携中枢都市)

          −−−−−−−−−→第6回講義資料(公共施設等総合管理計画)

          −−−−−−−−−→第7回講義資料(地方交付税と行政改革)

          −−−−−−−−−→第8回講義資料(NPM諸手法とその問題点)

          −−−−−−−−−→第9回講義資料(政策法務:辺野古新基地建設問題)

          −−−−−−−−−→第10回講義資料(政策法務:法律と条例:民泊法)

          −−−−−−−−−→第11回講義資料(地域自治組織)

          −−−−−−−−−→第12回講義資料(地域力、町内会等)

          −−−−−−−−−→第13回講義資料(新しい公共と共助社会づくり)

          −−−−−−−−−→第13回講義・討論資料(共助社会づくりの推進)

          −−−−−−−−−→第14(最終)回講義資料(地域公共経営と市民自治)

          −−−−−−−−−→地方分権論B(地域公共経営論)講義資料目次


          −−−−−−−−−−→2017年度 地方分権論B(地域公共経営論)講義概要



<教科書>

 特になし。講義資料は、毎回、事前に用意するので、各自、これを十分吟味し、講義中の討論等 に備えとともに、公共経営大学院または片木研究室ホームページからダウンロードして、持参すること。



<参考文献>

・ 片木 淳,加除式『地方行政キーワード』(ぎょうせい) ・ 片木 淳,2013,「地方公務員給与の削減と地方交付税」(雑誌『公営企業』(2013年5月号))

・ 同上編著(加除式)『地方行政キーワード』(ぎょうせい)

・ 同上  ,2010, 「『地域主権国家』と地域コミュニティ」(『ガバナンス』2010年1 月号)

・ 同上  ,2009,「国・地方財政の持続可能性」(雑誌「公営企業」平成21年5月号)

・ 同上  ,2005,「地方分権の潮流と地方交付税改革」(『地方財政』平成17年11月号)

・ 同上   ,2003,『地方主権の国 ドイツ』(ぎょうせい)

・ 片木・藤井・森編著,2008, 『地方づくり新戦略 自治体格差時代を生き抜く』(一藝社)


<関連URL>

・ 第31次地方制度調査会

  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chihou_seido/singi/02gyosei01_03000176.html

・ 総務省(地方自治制度)

  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/bunken/index.html

・ 総務省(地方財政制度)  http://www.soumu.go.jp/iken/zaisei.html

・ 総務省(地方税制度) http://www.soumu.go.jp/czaisei/czais.html

・ 全国知事会      http://www.nga.gr.jp/

・ 全国市長会      http://www.mayors.or.jp/

・ 全国町村会      http://www.zck.or.jp/


<学生へのコメント> 侃々諤々の議論を期待したい。


<成績評価方法>

 レポート

  60 %  「地方自治体の公共経営」の経営をめぐる論点について講義最終日にA4、5枚以内のレポートを提出                       

 平常点

  40 %  出欠、授業中の質問・意見発表


 ・ レポートの評価は、

@ 主張したいことが明確であり、レポート全体を通じて一貫していること。

A 理由がきちんと述べられており、説得力があること。

B 他人からの借り物でない、自分の考えがあること。発想が斬新であり、個性的であること。好奇心が旺盛であり、 問題意識と意欲に溢れていること。

C 授業をそれなりに咀嚼し、自らもさらに調査、研究を進めていることがうかがわれること。

D 授業の主題、テーマから、はずれていないこと。

    等を判断基準として行う。


 ・ レポ−トの作成は、できるだけ、

  「公共経営大学院リサーチペーパー形式」に準じて作成すること。

 

 また、 「研究倫理遵守マニュアル」を参照し、盗用・剽窃を絶対行わないよう留意すること。


<参考> レポート作成上の注意点

1 題名

2 所属、氏名

3 書き出し

 1行空け、1字分空けて書き出す。

4 改行

 1字分空けて書き出す。内容に応じて、適切な段落(改行から次の改行まで) とする。

5 数字、英字

 原則、半角とする。

6 読点等

 原則として、次のように用いる。

 ・ 主語等を示す「は」のあとに打つ。 (例)「わが国の状況は、以上のとおりであるが……」

 ・ 接続詞、副詞のあとに打つ。(例)「しかし、その一方で……」

 ・ 名詞を並べるときに打つ。(例)「住所、氏名、年齢、電話番号」。 中黒(・)を使ってもよい。

 ・ 外国語の複合語、外国人名には中黒(・)を打つ。 (例)「タウン・ミーティング」、「トニー・ブレアー」

 ・ カッコ(「」『』)

  *「」は、引用文に使用する。語句を際立たせるときにも、使用してよい。

  * 『』は、 書籍の題名を記すときや「」の中でさらにカッコを使いたいときに用いる。

7 文章

 「である」調で書く。「です」調と混用しない。


8 インターネット資料と新聞記事の引用

 インターネット資料と新聞記事を引用する場合は、原則として、それぞれ下記のように表示すること。

   *サイトの運営主体、(記事の日付)、情報名、サイトURL、情報入手日

  *[著者、]見出し、紙名[(夕刊)]、年月日、ページ



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