ドイツ 各州の横顔


  

(9) ハンブルク州  Hamburg


 自由ハンザ都市Freie und Hansestadtハンブルクは、北海に注ぐエルベ川河口から百キロ上流の地点に発達した港湾都市である。

 ハンザ同盟は、1241年ハンブルクとリューベックの間に結ばれた都市同盟から出発し、13世紀から17世紀にかけて、商業都市の政治・軍事同盟として、北海、バルト海沿岸を制覇した。極盛期には、北部ドイツを中心に200の都市が参加し、ロンドン、ブリュージュ、ベルゲン、ノブゴロドにも商館を置き、北方貿易を独占した。

 市の人口は、約170万、ドイツ最大の国際貿易港を有し、ベルリンに次いでドイツ第2の都市となっている。陸海空の交通の要衝として、ドイツの「世界の玄関口」といわれ、街は、国際的な雰囲気に満ちあふれている。歓楽街レーパーバーンは、日本人旅行者(男性)にも、おなじみである。

 市の中心に広がる美しいアルスター湖は、夏は、青い水面にヨットの帆が揺れ、冬は白い氷上にスケートを楽しむ若者達の歓声が広がり、ハンザ都市の往時の繁栄を偲ばせる堂々たる市庁舎とともに、ハンブルグ市民の誇りとなっている。

 ハンブルグは、また、ドイツにおけるメディア産業の中心地でもある。DP、北ドイツラジオ放送等の放送会社、多くの新聞、雑誌の本社がここにある。また、国際会議・見本市都市としても有名であるほか、世界で最も領事館の多い(92)都市である。

 ブラームスを生んだだけに、音楽、演劇等各種文化の水準も高く、博物館・美術館、35を数える劇場、多くの展覧会、ミュージカル、コンサートによってドイツ文化の中心となっている。      

(写真は、アルスター湖に望むハンブルク市庁舎 同州ホームページより) 


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