ドイツ 各州の横顔

 (15)  シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州     Schleswig-Holstein


 

 ドイツの最北部、デンマークと国境を接して北海とバルト海の間に位置し、EU諸国とスカンジナヴィア諸国、他のバルト海諸国を結ぶかすがいといわれている。

 州内には、約300といわれる湖沼を有する自然保護地域が広がり、北海とバルト海に挟まれていることから海洋性の穏やかな気候と新鮮な空気に恵まれ、ドイツで最も観光客の多い州となっている。

 人口は、約280万、漁業と農業、造船、港湾、観光が主要産業である。かつての豊かな農業州から近代工業州へと発展を続け、今や、「技術革新」が州の高等教育計画と経済発展計画の中心テーマとなっている。

 同州は、1866年の普墺戦争の原因となった地域としても有名である。

 長年の問題であったデンマークとの関係については、1955年相互に自国内の少数民族に同等の権利を認めるとの共同声明によって最終的な解決を見、少数民族問題解決の「ヨーロッパのモデルケース」とされている。

 州都は、世界最大の水運通行量を誇るキール運河と軍港で有名なキール。

 バルト海に面したキールは、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン等の多くの都市とフェリー等で結ばれ、毎年6月の「キール週間」には、世界中のヨット・ファンが集う港湾都市である。

 さらに、同州には、ユネスコの世界遺産に指定され、世界的に有名な旧都リューベックがある。

 「ブッデムブローグ家の人々」で有名な同市は、バルト海の交易の中心として、また、ハンザ同盟の盟主として栄えた往時の面影を今に残している。

 


(写真は、キール運河沿いのサイクリング。http://www.kiel-tourist.de/d/index.htmlによる。)


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