(11) バイエルン州 Bayern
英語でババリアBabariaといわれ、一千年以上の歴史を誇っている。
人口約1220万人、ドイツ最大の面積を有する大州である。
ドイツ南部に位置し、スイス、オーストリア、チェコと国境を接している。
州都は、文豪森鴎外や斉藤茂吉も留学し、文化と芸術の方面でもヨーロッパ的水準にあるといわれるミュンヘン。
我々日本人には、ビール、ロマンチック街道、ノイシュバンシュタイン城、ニュルンベルク、アウグスブルク等でおなじみの州である。
自然の風景の美しい州で知られるが、最近は、航空宇宙産業等の先端産業を中心に産業国家としても躍進を続けている。
たとえば、BMWは、Bayerischer Motor Werk( バイエルン自動車工場)の略であり、そのシンボルマーク、青と白の菱形模様は、州の紋章からとられている。
原子炉もアルプス風景の中の花で飾った農家も、ともに近代国家のシンボルとして両立し得るというのがこの州の考え方である。
州内は、方言、生活習慣、住民気質の異なる三つの地方からなっている。
南と東の旧バイエルン地方、北、北東のフランケン地方、それに南西のバイエルン・シュバーベン地方である。
バイエルン人は、一般に、商売嫌いで、歌、踊りを好み、信仰心に厚く(カトリックが支配的)、保守的であるといわれている。
ドイツの憲法にあたる基本法の制定に際して「地方分権の見地から」これに反対するなど、時として非常に「頑固な自由国家」の伝統を発揮する州である。
(写真は、ミュンヘン市庁舎前広場)