ドイツ 各州の横顔


  

(10) チューリンゲン州 Thueringen  

 「 自由国家チューリンゲン 」州は、ドイツの中央部に位置し、ザクセン、ザクセン・アンハルト、ニーダーザクセン、ヘッセンおよびバイエルンの五州と州境を接して交通の要衝となっている。

 しばしば「ドイツの緑の中心」といわれ、州内では、チューリンゲンの森、南ハルツ、キュフホイザー山地、ザーレ峡谷等が保養レクリエーション地として有名である。

 旧チューリンゲン州は、ワイマール共和国下の1920年、七つの小国とかつてのプロイセンの地域の一部から創設されたものであり、東ドイツ時代のエアフルト県、ゲラ県およびズール県時代を経て、1990年統一ドイツの新生州として再出発した。

 人口は、約240万人、州都は、エアフルト。

 州内の都市としては、エアフルトのほか、ゲーテとシラーの古典都市ワイマール、光学器械ツァイスの大学都市イエナ、東チューリンゲンの中心ゲラ、かつて王宮のあったゴータ、バッハ生誕の地アイゼナハ等がある。

 アイゼナハに近いヴァルトブルグでルターが聖書を最初にドイツ語に翻訳し、ワイマールで1919年「ワイマール共和国」が誕生したというように、ドイツの歴史の中で重要な地位を占める州でもある。

 ハルツ山地とチューリンゲンの森の間に広がる平野では、古くから農業が盛んであり、北東部のチューリンゲン盆地には、大工業地帯が広がっている。

 アイゼナハ市を中心とする自動車工業、エアフルト市近郊の電子工業、さらには、イエナ市等では、通信技術、光学機器、バイオ、医薬等の産業が盛んになりつつある。


(写真は、同州ワイマール市の劇場前に立つゲーテとシラーの銅像 同市ホームページより) 


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