デルフィ

 































 古代ギリシアにおいて、その神託で諸国の運命を左右したデルフィ。ミケーネ時代の終わりごろ、 ゼウスの息子、アポロンが大蛇ピュトンを矢で殺して、神殿を建て、巫女ピュティアを通して神託を 授けるようになったと言われている。

  (写真は、劇場跡を見下ろして。左の6本の柱とその右がアポロン神殿。中央奥の屋根の陥没した小屋のような建物がアテナイ人の 宝庫。谷の向こうは、もう海。)


































 ゼウスが、世界の中心を知るために、東西から鷲を飛ばしたところ、 デルフィで遭遇、「世界のへそ」と言われる石の上に立ったというのが神話の語るところ。

 小アジアからもイタリアからもほぼ中心と言える位置にあり、海を使って 神託を受けに諸国から使者が訪れた。(地図は、JTB「ワールドガイド ギリシア・エーゲ海」(2001年)による。)































 この見取図は、AD2世紀のパウサニアスの『ギリシア案内記』(岩波文庫、馬場恵二訳)による。

 























 アテナイ人の宝庫。マラトンの戦いで勝利した記念に建てたもの。手前の三角形の石が「世界のへそ」(模造)。  





























 デルフィ博物館の秘宝、「青銅の御者の像」。BC478年(あるいは474年)にシチリアのゲラの僭主ポリザロスが奉納した。

 同年に行われたデルフィのピュティア競技大会(オリンピックなどと並ぶ4大競技大会の一つ)で4頭立ての2輪戦車競争で本人が優勝したことを記念して奉納。優勝して、観客から拍手喝采を受けている瞬間の姿を表しているが、いわゆる「厳格様式」で、抑制された、落ち着いた誇りの表現になっている。

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